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第24章 繋がること


「直接的に俺の助けになりてえの?俺、もう幹部になっちまうくらいには成長したんだぜ?これでも」

『…蝶が、中也さんのこと独り占めしたいだけ。離れてたくないだけ』

なんて子供じみた理由だ…だが、それでいい。
構わない…そういうわがままが聞きたかったのだから。

俺に関わらないことだったとしても、私利私欲のために生きてもいいんじゃないかって、ずっと思っていたことだったから。

「探偵社は…辞めたいわけじゃあないんだろう?」

『…でも、“そっち”に戻るなら…そんな中途半端なこと、しない』

「…お前、そういうところ頑固だよな。……よし、んじゃあ後は大人に任せとけ!どっちに転んだところでお前の内定は確定してるわけだが…いいようにしてやるよ」

『え…?』

どのように転がっていくか、断言はできない。
しかし、彼女の希望するものの一段階も二段階も上の喜びなら、きっと与えてやることができる。

なぜならば、蝶にはそれだけの人徳があるから。
それだけ、誰もが蝶の幸せを願っているはずだから。

もういいじゃないか、子供になっても。
自分のためだけに生きようとしても。

それがたとえどんな生き様で、どんな理由があったとしても。

今まで我慢し続けてきたんだ、頑張りすぎるくらいに頑張ってきたんだ。

「せっかくわがまま言えたんだ…答えてやるのが普通だろ?俺達の」

『普通…、…うん……普通…』

「あーもう…まぁた目ぇ腫れんぞ?ったく…お前の望む普通は、そうだもんな。悪い、理解が足りなかった…文字通り、聞いてやるよ」

お前のわがままを。
お前のお願いを。

どこかで感じてはいたのだ、彼女が俺の仕事を…俺のために何かをこなす時、どこか生き生きとしていたのを。
人を殺すこと自体に偏見を持っていることはなく、道徳観念はありすぎるほどにあるけれど…仲間のためならば手段を選ばないような人間であるということも。

そして、そういう時の彼女が…酷く美しいということも。

マフィア脳はどっちだか。

「お前、実はマフィア歴何年?」

『零を省いて百年は超えてる』

「大ベテランじゃねえか、どうりで殺しをやめさせてから調子が悪そうだったわけだ」

『…手加減って苦手。でも中也さんのためなら何でもする』

「…鎖に繋いで軟禁して、可愛がってやろうか?」

『……そういうの…ゾクゾクする』
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