第24章 繋がること
渚君に呼ばれてみんなで集まって、話される内容…その内容は、予想通りというかなんというか。
一言で言うと、渚君らしい発想だなと素直に思えるもの。
殺せんせーの暗殺をやめて、先生のことを助けたい。
____放っておいても、三月に先生は死にます。一人で死ぬか、地球と死ぬか…変わるのは、それだけです。
冬休み前、全てを語ってくれた後の殺せんせーの言葉が脳裏を過ぎる。
私もそれは、そうしたい。
死んでほしくなんかない。
ただ、それはそれ…私の私情しか考えていないもの。
渚君の意見に対して見て取れた皆の心の揺らぎは、大きくわけてシンプルに二つ。
賛成と反対…ではなくて、賛成と決断。
反対意見を真っ先にあげたのは中村ちゃん。
そしてそれに続いて寺坂組。
まず、どう足掻いて殺せんせーを殺さない方法を見つけるのか。
見つけるにしても、暗殺の技術を高めているこの時期に殺しをせずに…タイムリミットを迎えてしまったらどうするのか。
吉田君が口にした。
自分も、それを“考えなかったわけではない”と。
見て取れる限り、クラスの全員がそうらしい。
だから、私は反対意見とは受け取らない。
そこを加味して考え抜いた結果、結局はちゃんと殺すことが一番相手のためになるのではないかと、決心している意見だから。
まあ、迷いはまだあるように伺えるけれど。
「あのタコを一から作れるくらいのレベルの知識が俺等にあれば別だけどよ…奥田や竹林のかがく知識でさえ、せいぜい大学生レベルだろ」
寺坂君のこの意見に、渚君は何か反論を考える。
そして考えて、考えた末に…藁をも掴むような目で、一瞬私を捉えた気がした。
『え…____?』
しかし私が驚いたのはそこではない。
渚君に手を出した人物がいた事にだ。
気づいた時には渚君が、強い力…そして静かな殺意に、押し倒されていた。
片手で押しただけに見える動きだが、鍛え方が人とは違う人物によるものだからか、威力は凄まじいように見える。
が、どうして彼が、無抵抗な人間に先に手を出したのかが分からない。
ましてや相手は、この渚君なのに。
「渚君さぁ…なんで今、そんな目ぇしたの?」
「…ッ、目…って……」
「ねえ、何?さっきの目…なんでそんな目で、“蝶の方を見た”の?……ふざけたことしてんなよ」
『カ…ル、マ……?』
キレてる…?