第24章 繋がること
「ああして見てると、本当に親子だよね〜…」
「まさかそんなスケールのことだったとは…あれは敵わねえわ」
「お前まだ狙ってたのかよ?無理だろ、あの懐きようじゃ……あの人もあの人ですごすぎる、本当に」
聞こえてくる声も上の空。
中也さんが困ったように…しかし心から笑っているのを見て、余計に涙が止まらない。
「なんて顔してんだよお前…いい顔して泣くようになったなあ本当…」
『う、っれ…し、泣き…だもん…ッ』
「知ってる…今俺辛そうな顔してないだろ?」
『うう…ッ、中也、さんが…また蝶のこと泣かせる…っ』
「「「「「あーあ、まぁた蝶ちゃん泣かせてる〜」」」」」
「手前らなぁ!!!?」
暗くなりすぎていなくて…憐れみなんかもなくって、皆が私の過ごしやすいようにしてくれているのがよく伝わる。
拒絶されていないのが、よくわかる。
「あああ…蝶さん、ほらそんな擦ったら目ぇ腫れちまうから……な…?」
『だ、って…だって、止まらな…っ、ク…』
「あーはいはい、あいつらの目の前でいいことしてほしいんならそのまんま泣き続けてろよ」
『ひぅ…ッッッ!!!!?』
耳元で声を低くして呟いた後、耳の中でも弱いところを舐め取られた。
一瞬で涙も収まれば、それから恥ずかしさの方がこみ上げてきて、別意味で泣きそうになった。
『ば…っ、あ…っう…!!、中也さんの馬鹿!!!馬鹿ああ!!!』
「「「「何したんだよあんた!!?」」」」
「あ?…ああ……ちょっと可愛がってみた」
『中也さん最低!!!!』
「平手…ッ!!!?」
息を荒らげて平手打ちをしようとするも、焦ってるくせして容易くその手は捕まえられる。
それから今度は無理矢理引き寄せられて、抱きとめられて。
『!?!!?』
「泣き止んだな?よーしよし、いい子だ…けど俺に平手打ちなんざ、分かってねえなあ俺の一番弟子…?」
『ひ、ッ!!?…っ、あ、ちょっと待っ…!!!?』
「ええっ、ちょっと、中原さん!!!?」
私を横抱きにして、そのまま窓から出ていく中也さん。
私の方が驚きを隠せない。
「ちょっと仕置きしてくるわ!!悪いな!!」
「「「「お仕置き…!!?」」」」
「「何ですかそのすごく興味をそそる響き!!!!!」」
屋根の上に連れて行かれれば、肩から外套をかけられる。
そして一言。
「…身体は?」