第21章 親と子

｢いやあ…すごい手懐けっぷりだ｣

｢どっちが…どっちを？｣

｢……ある意味両方共が両方共を｣

トウェインさんよ分析に反応する間もなく中也から差し出されるデザートの数々。
ぐぬぬ、やりおる…

『あ…』

｢おう、そうだな。いい子だ｣

『…おいしぃ…♪』

｢食べ放題はこれに尽きるぜ…女共がうじゃうじゃしてるってだけでもうるせえっての…に……！？蝶！？お前は違ぇからな！！？お前以外のってことだぞ、分かるか！！？｣

『…中也、さ…女の子嫌い…？』

｢いやいや、嫌いじゃねえよ！？｣

『………女好き！！？』

｢違ぇっての馬鹿！！！｣

ﾀﾞﾊﾞｯと目から大洪水を起こす私にあたふたしながら中也が焦っていると、思わぬところから横槍が入った。

｢うーん…僕ならあれかな、蝶ちゃん以外の女の子には興味がないから鬱陶しいって感じるけど、蝶ちゃんがいるならそれだけで足を運ぶ理由にな『トウェインさんのそういうところ嫌いじゃない』！！本当！？やっとトウェインさんの良さに気付いた！！？｣

｢お、俺と何が違うって…た、立原…！！｣

｢え、俺っすか！？……え、えっと…言葉選び、と口調…と、恥ずかしがってるかどうか…？｣

｢…まあ中也君日本人だもんね……ダメだよ？愛情表現に恥ずかしがっちゃうなんて、パートナーが可哀想じゃないか｣

あれ、この話どこかで…

｢ああ、その話前に蝶の学校でも……って、中也さん？｣

｢……俺は…ダメな日本人だ…｣

｢中也さん！！？何真っ白になってんすか！！！んなことしてたらまた蝶が本気にし『ち、中也さんが…っ、ど、どうしようトウェインさん！？わ、私…、どうしたら中也さ』あああほら言わんこっちゃねえ！！！｣

｢ん～…とりあえず抱きつくかキスするかしてみたら？多分一瞬で戻ってくるよ、あの溺愛君なら｣

『…』

にわかに信じがたいのだけれど、動かなくなってしまった中也の方をﾁﾗﾘと向いて、流石に恥じらいの方が勝ってしまったため、腕を回して抱きついた。

｢……ｯは…！！………天国かここは｣

｢あ、戻ってきた｣

『！…中也さ…っ、…』

｢おおお！？なんで泣いてんだ蝶！！？よしよし、落ち着け落ち着『中也さんいなきゃやだ…っ』よし分かった蝶、ケーキ食おうケーキ｣

『…中也さん大好き』

｢可愛いこいつ…天使かｯ！！｣

｢｢何だこの茶番…｣｣