第21章 親と子
「よく頑張った…よく耐えた」
『ぅ、っ…手、も足も、首も、動かせなくって…っ、真っ暗、で…中也、さんの姿なのに…っ』
いっぱい、叩かれて…物みたいに蹴られて、踏みつけられて。
「………腹は?…それで口元にずっと付いてたのか…血」
『ふ、…っえ…?…っ、中也、さ……ッぁ…っ♡…ッはぁ…っ、ぁ…お、なか撫でながらッ、首…ッッ♡』
「俺の見た目が怖いことしちまった詫びに、ちゃんと愛しきってやろうと思ってな…ありがとう、生きててくれて……」
『!!?…そ、んな事ッ…今、言わな「大好きだぞ、蝶。愛してる…」!!!…っぁ……あ…ッ♡』
中也さんに借りていた外套をはだけさせられ、顕になった胸をソフトタッチで撫でられる。
『や、ッ…ぁ…おかしくなるっ…♡そん、な呼ばな「蝶、可愛い…ほら、もうここ、こんな固くなってる」んんんっ…!?♡あ、ぁ…ああぅ…っ!!?♡』
口に含んで舐めて、音を立てて吸われる胸の頂き。
全部バレてる、気持ちいいとこ。
「…俺の執務室に…行くか?…この寝台じゃあ、狭いだろ」
『ぁ…っ、は…ぅ…っ?♡』
「……消毒。…させてくれるか?俺に」
『!!…っ、あ……は、ぁい…♡』
滲んだ涙も気にせずに、精いっぱい微笑んで…心の底から安心して、笑顔を見せた。
私の笑顔は貴方のもの…貴方がいないと、無いものだから。
やっと彼も私に困ったように微笑みかけてくれて、また撫でて、キスをしてくれた。
すぐに扉を作って移動すれば、彼の手が私をゆっくりとほぐしていく。
「…腰ゆれてる……可愛い…」
『い、言っちゃやぁ…♡……ダメ、なの…っ♡』
「なんでだよ、その方がもっと可愛い顔してくれんのに、お前」
『ひぁ…ッ、ぁ……あ…ッ!♡』
キュ、と胸の頂を両手で摘んで、中也さんは私の身体に口付けを落としていく。
念入りに、愛していると伝えるように…腕を、肩を、指先を…鎖骨も胸も………脇腹も、頬もおでこも、頭も…お腹も。
分かってしまった。
私が手をあげられたところばかりが慈しむように口付けられているのが。
ごめんなさいの気持ち以上に、大好きが溢れてやまなかった。
踏みつけられて、特に怖かったお腹にいっぱいキスをおとされて…
『ちゅ、うやさ…ッ…♡ぁ…、そ、こッ…んんっ♡』
「痛い?」
『ち、がくてっ…ぁ…だ、い好き…ッ…だよ…っ』
