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第20章 家族というもの


「中原君、君何考えてんの!?今までなんか近くに他の男がいるだけでもイライラしてたような君が!!」

「これからすげぇこいつが可愛い顔してくれるんだなって想像したらなぁ…それに多分、無理矢理でもなんでもこれくらいされるのは大好物なんだよ……俺も、こいつも」

仕事服に手をかけて、手際よく衣服が緩められていく。
ゾクゾクするけど、中也以外の人がいる所でこんな事されてて変な気分…それになんだろう、いいことなんかじゃないはずで、なのに中也は心なしか少しこんな行為に興奮してて。

止めるべきなのかが分からない。
してもいいのかが分からない。

『ぁ、の…中也さ……』

「…嫌なら嫌って言ってくれていいぞ、意思は尊重する」

『あ…ッ、……あっ、やッ!?…と、トウェインさんあっち向い……っ、は、恥ずかしいの嫌っ…』

「……ぜんっぜん抵抗してねえのにか?…ほら、大好きなトウェインに見られてんぞ」

根に持ったような言い回し。
この人相手にこんな格好をするのは三度目くらいのことだろうか。

「…ほら、その気になってる奴が我慢すんなって。……いいか?蝶…一応、最終確認」

『っ…何が、したいの…?中也さんがしたいならいい、けどッ…どう、してほしいの……?』

「!…そうだな……蝶がもっと可愛くなっちまえばって思って」

『……トウェインさん、は…嫌じゃない、の…?』

え、僕!?と明らかに挙動不審になるトウェインさん。
まだ見られるのは恥ずかしくて、手で下着を隠してしまう。

前触れられた時は、嫌で嫌で仕方がなかった。
そのはずなのに、だ。

中也の方から提案されてしまえば、彼に従順になってしまう私の本能は、その考えで頭がいっぱいになってしまう。
中也がいいなら、いいのかなって…彼が嫌がらないのなら、別にしてもいいのかなって。

「…引かない?幻滅しない?」

『!…うん…しない』

「………すごく、したい」

「…だってよ。……これでいいなら、蝶…そろそろお前も興奮してきてるんじゃねえの?見られただけなのに」

こういう言い方に一々ゾクゾクする。
分かってる、自分の身体がおかしいなんて…自分も中也もおかしいくらいにいきすぎた性癖を持ち合わせてるって。

この人に支配されてるのが好き…私を支配してしまうのが好き。
お互いどこかで分かってる。

本能が、身体の主従関係を求めてる。
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