第20章 家族というもの
「しんどいか…膝すげぇ事んなってる」
『ひッ…、は、っあ…♡触、るからぁ…あッ♡』
下着の上から撫でられてるだけ。
敏感な突起を指でこねられてるだけ…太ももの内側を撫でられてるだけ。
大人なキスをされてるだけ。
言葉にするのは簡単なのに、どうしてこうも体の制御が効かなくなる。
「立ってないと仕置きだもんな…えらいえらい」
『んぁう…ッ、ふあ………っ、あ…♡』
額や首に可愛らしいリップ音を立ててキスされて、しかし流石に私を見かねてか、中也が私の体を軽々と少し浮かせる。
「ま、少しくらいはこっちのが楽だろ」
『………ッ!!…ぇ…あ……な、に…な、なんかやだこれ…っ、な、んか……恥ずか「恥ずかしくねぇよ」きゃッ!?』
壁の方まで移動させられて、無理矢理凭れさせるように、指を絡めて壁にくっつけて手を握られる。
閉じようとしていた脚の間に膝を割って中也の膝が入ってきて、中也の服が擦れて…そして気付く。
『…!ちゅ、うやさ…汚れちゃ…っ』
ヌルリとしなが、湿り気を帯びていく布。
中也に散々に刺激され続けていたそこは、とめどなく快感の蜜を溢れさせ、下着を超えて膝の方まで垂れていた。
「あ?汚れるわけあるかよお前の愛液で」
『そ、ういうこと言わなッ…んぅ…ン…っ♡』
チュ、と口付けられて大きく一度舌を絡め取られてから、中也の舌がそこから抜かれる。
「はっ、んな表情しといてよく言う…大事なとこそんな風に俺の膝に押し付けてきといて」
グ、と膝が突起を押し上げて、甲高い声が出る。
『ち、が…ッ……ら、って、私が背…足りないから仕方な……ッッ!?…や、だぁ…っ、これ嫌いッ!!中也さッ…こ、れ嫌!!!』
「!…っ、……嫌…って…」
『ぁ…ッ』
膝を押し付けるのをやめ、中也から開放されると同時にガクッと床に崩れ落ちる。
それから、ポタ、ポタ、と床に雫が落ちていく。
自分でもよく分からなくて、なんでか分からなくて、呆然とする。
「蝶…?……怖かった、か…?」
『う、ううん…?…そういうのじゃ…な、くて……な、なんかやだった…』
「……そ、うか…ごめん、気を付ける。…ベッドの方がいいか?」
『………ん…』
多分、私が甘えたがりなだけ。
私が、優しくされるのが好きなだけ。
中也に怖い以外で嫌だと口にしたのは、初めてのことかもしれない。
