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第20章 家族というもの


『…何、悪い?何か文句がおありでしたらどうぞご勝手に』

「いや、文句じゃなくてお前な……悪くは、ねえけど…場所が場所だろ」

『私の真横で中学生の女の子相手にはしゃいでた人がよく言う』

もしかして大人の女の人よりも実は年下の子の方が好きなのかしらこの人。
子供は嫌いって言ってたけれど。

「はしゃいではねえだろ…別に俺はどこで何されてもいいけどな、他の奴らの目の前でんな事してたらお前が注目されんだぞ」

『!…ね、中也さんもしかして子供好きなの?』

「あ?なんでいきなり…俺ぁ餓鬼は嫌いだよ基本、知ってんだろ」

『ふぅん…』

「ふうんっておま……ッッ!!?」

中也が驚くのも無理はない。
だって私の能力のこういう使い方は、まだ見せた事が無かったから。
かなり気力も集中力も体力もいるけれど、まあそんなことは今どうでもいい。

いくつかの種類の能力を複合し、それを応用させて私は元来得意であったトランスを使用した。

それで自らの姿を変身させ…今、中也の目の前で彼を驚かせている。
いや、彼だけでなく私を見た全員が目を見開いて驚いている。

「え…蝶、だよね?……どうしたの、何か変な薬でも飲んだ?」

『失礼ね、飲むわけないでしょ薬嫌いなのに。行こ、カルマ、私中入る』

「いやいやいや、その格好でする気!?せめてまず着替えよ『いらない』…中也さんのとこにいなくていいの?」

『いい。外にいる子達と楽しんでるでしょどう……せ………っ?』

私の今の見た目はというと、小さい頃の姿である。
そう、単純に、見た目を若返らせて…丁度中也と出会った頃の、六歳の姿に変わったのだ。

小生意気な餓鬼は嫌いでしょうから。

拗ねたようにそんな反抗をしたのだけれど。
何故だかブカブカになりきってしまった元の制服を引きずってカルマの方に行こうとすれば、中也本人によって腕を掴まれて動けなくなった。

『…離して。こういう時にしつこい男は嫌いなの』

「「「うわぁ、言い切った…」」」

「いいや、お前はしつこい男が大好きだ。知ってんぞ、今だってそんな格好してお前………せめて服だけでも着替えろ、風邪ひく」

『!……こんなサイズの服なんか無「じゃあ今から俺が調達してくる」そ、それはいい!!…ほ、ほら、これならいいでしょ!!』

結局制服も能力で調整して離してもらった。
…本当、しつこい親バカ。
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