第19章 繋がり
「ああ!?怖ぇって……怖…っ、?…怖……い、のか…俺?」
「「え、自覚無かったの?」」
「その目付きと言葉づかいじゃあ、普通怖がりもするだろ…相手だって男じゃねえんだ」
『!織田作…』
また、会えた。
不思議な人。
ぱち、と目が合うと、また彼は私と目線を合わせるようにしゃがみ込む。
「お前、廊下で倒れたんだよ。心身共に疲労してんだろ、知らねえとこに来て…中原の事は、怖いか?」
『え…ううん…?』
「そうか。なら、やはり喋り方か?どうも怯えているように見えるが……強い言い方とか…」
呼び方、とか
やっぱり織田作って不思議な人。
けど、面倒見もよくて何故だか手に取るように私の事が分かってしまう人。
夢じゃ、無かった。
「……ほら、そういう事だよ中也。女の子に“手前”はないよね、手前は。ざまあみろっての」
「手前は黙ってろ糞太宰!!「ほらまた言ってる」それは手前相手だからいいんだよ!!!」
「なら、私や他の連中と違ってその子を“大事”に思うんなら、なんとかしなよその言い方」
「!!………てめ…、……なんて呼んでほしい…っすか」
突然敬語になった彼に目を丸くした。
ぶっ、と吹き出して、堪えきれてはいないけれど笑いを堪える太宰さん。
『なんてって…べ、別に……て、てめえ…?でも大丈「頼むから教えてくれ、それ以外で…!!」え、えぇ…』
目で織田作の方に助けを求めるも、思ってる事は言うべきだ、と突き放された。
『い、いや、だってもう言いきれないくらいにお世話にな「遠慮するな」だ、だって織田作ッ』
「ちゃんと思ってる事を言わないんなら……そうだな。中原は俺がもらって帰『や、やだっ…』…」
「…えらく……懐かれてるね?中也君?」
『へ…あ、違っ!?私が決める事じゃ「いやいやいいんだよいいんだよ、多分その方が中也君嬉しいから」…?』
森さんの声に、中也さんの方に目を向ける。
すると何故だか目を見開いたまま、こころなしかほんのりと赤い耳。
『嬉し……い…?』
「嬉し…!?うれ……し、知るか!!?」
「あーあ、中也がまた泣かせようとしてる」
「またか中原、女性には優しくしてやれよ」
「はあ!?なんで俺が女なんか…に……!!…て、てめ……ならまあ、嬉し…くねえ事もねえ……っす」
これは…どっちなのだろうか。