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第18章 縁の時間


『うぐ…中也さ……の鬼ぃ…』

結局ソラさんは目的を達成したらしく、もうサプライズにはならなくなってしまったものの、後日また直接プレゼントをしてくれるそうだ。
本当は中也に預けてそのままバイバイしちゃう予定だったらしいものの、私が駄々をこねた結果また会ってくれることになった。

中也に圧を加えられていた頭を両手で擦りながら声を漏らす。

「学習しねえお前が悪い……んで、蝶さん。お前どうやって嗅ぎつけたんだよ俺の事」

『そんなの殺せんせーが盗撮しててそれ見せられて…来るしかなくない??』

コテ、と首を傾げて車を運転する中也に顔を向ければ、少し間を置いてから中也はボソリと悪態をつく。

「あンのクソ担任…ッ………お前あれが浮気現場にでも見えたのかよ…」

『浮気はしないだろうけど他の女の人と二人きりなのは許せなかったかな、相手がソラさんじゃないポートマフィアの女の人だったら本気で殺しにかかってたかも』

「……仕事だっつって騙そうとしたのは悪かった。本当に…けど俺がお前に嘘を吐くような時は、こういうような時しか有り得ねえから…誓って言う」

『!…もしそれ、嘘だったら私太宰さんと同棲するから』

「全力で阻止するわ」

ここまで来て中也が尋常じゃない焦りようになる。
やはり太宰さんは強いな、利用させてもらおう。
今後ともお世話になります、朝は放ってきたけどね。

『あ、そういえば今日文化祭の話し合いするんだった…中也どうする?どの道後で知る事にはなるだろうけど……』

「…そうだな、ホームルーム中は屋根の上で昼寝でもするか。あそこ日当たりいい上に風通し良くてすっげえ気持ちいいんだよな」

『え、なにそれ私も一緒に寝たい』

「…………昼休みなら許す」

やったぁ!!
と腕を上げて素直に喜んだ。
中也とお昼寝なんて久しぶりだ。

それに中也の言う通り、本当にあの屋根の上は居心地が…というか寝心地がいい。
カルマとよく一緒にいたりした場所ではあるが、とても座っていて、また寝転んでいて気持ちがいいのだ。

「昼休みだけだからな。流石に今日はこれ以上授業に出なかったら無理矢理にでも叩き起すから覚悟しとけよ………あと!!脱ごうとするんじゃねえ!!!」

へ?とリボンを解きかけた手を止めて、ああ、と間抜けな返事をする。
かれこれこのやり取りももう八回目。
な気がする…
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