第17章 0
中也の声にピタリと止まって、そのまま緊張を解すように息を吐いた。
『は…ぁ……っ…し、仕返しになんないじゃない…』
クタリと体から力を抜いて中也の上に体を預けると、撫でている方と反対の手で髪をサラサラといじり始める。
「お前がまさかあそこまでするとは思っちゃいなかったが…嫌いじゃあねえな。結局お前恥ずかしがってて可愛かったし」
『……うるさい…………束縛好きッ、マフィア脳…!!』
「そんくれえの方がいいっつの…」
『…ッ?何を……っ、え…?』
中也の手が頭から離れたかと思えば私のシャツの襟元に触れ、リボンを外す。
それに少しピクリと肩を力ませると、中也がそのままシャツのボタンを三つ外し、袖をずらす。
『あ、あの……中…ッぁ……っ』
そのまま困惑しながらもされるままにされていれば、シャツがずれて外に出た肩……左肩に、カプ、と中也が柔らかく噛み付いた。
「……ここまで付けてっとは誰も思わねえだろ?俺はそういうとこまでお前を独占してえとは思ってる」
『わ、分かったからそこで喋らな…ッ!!』
チウ、と吸われてそれにゾクリと背筋を刺激が走り抜ける。
肩ってこんなに感じるもの…?
私が弱かっただけなのか…相手が中也だからなのか…
「…あー……なんでお前そんな綺麗なんだよ…じゃなけりゃどうにでもしてやれんのに」
『……しッ、たら…いいじゃない……ですか…っ』
「言うと思った。が、そうすると折角可愛いお前を怖がらせちまうからな…他人が泣こうが喚こうがどうでもいいどころか大好物だが、お前に泣かれっとどうも俺は弱ぇらしいから」
『…中也って根っからのマフィア脳なのね。……私の首とかしめるの、好き?』
小さく問えば、ピク、と中也が反応する。
それから暫く返事を待っていると、中也の方から何でだよ、と聞き返された。
『ううん、好きかなあって…私中也にならそういうことされてもいいよ』
「……馬鹿な事言うな、そこまで無理しなくたって俺にんな趣味ねえよ。なんで惚れた女の首絞めんのに快くなんだ俺が」
『………そっか…中也はマフィア脳なのに優しいね。…もっと付ける♪』
「は?…え、待てお前さっき散々付け…〜〜〜ッッ!!!」
それから結局夜になるまで中也に仕返しとしてキスマークを付け続けた。
私の身体もまた、中也の印でいっぱいになった。