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第14章 わからない人


蝶の能力でそのまま俺の執務室まで移動し、蝶の頭を撫でてやる。

俺の出した条件とは、とても相手にとっても満足のいくようなものでは無かっただろう。
だが、それでも良いと言ってくれた。

それなら、俺も大事にしてやりてえ。
こんないい女に見合うような男になりてえ。

『…そ、その……私あんまり知らなくて…』

「俺もすんのは初めてみてえなもんだ…悪いな、二重で怖い思いをさせちまう事になっちまって」

『……ん、いい。…一応それでも、行為としては最後まで成立するんでしょう?』

「………俺の方はな。だがこれは本当に『ん。分かってる』…ありがとな」

サラリと蝶の髪に指を通せば、それもまた嬉しそうにはにかむ蝶。
綺麗な奴だ…ここまで綺麗だと返って罪悪感まで芽生えちまうもの。

だがそれと同時に、こんな綺麗な奴を俺が抱くことが出来るのだという優越感と背徳感。
……調子に乗って痛くさせんなよな、俺。

上半身の衣服と帽子、手袋を全て取り去って蝶を寝かせたベッドに戻る。
すると蝶はうっとりとしたような目で俺を見つめ、顔をほんのりと赤くさせた。

「…そんな見てていいもんでもねえだろ」

『………かっこいい…』

「……やめろそういうの…照れんだろ」

『中也さんが照れるの、珍し……ッ』

蝶の制服に手をかけると、すぐに蝶の肩に力が入る。
…こんなんで本当に大丈夫かよこいつ、ただでさえ人よりだいぶ感じやすい体なくせに。

『…っん……ッ』

口付けを落とせば蝶はまた少しびくついて、しかし長くしているうちに段々と体の力が抜けていくのが分かる。
それだけで安心しているのだなと分かりやすい反応ではあるのだが、どれだけ俺とこうすんのが好きなのだと底知れぬ蝶の愛らしさにこっちまでゾクリとしてきた。

その上、シャツのボタンを外し終えたところである事に気が付く。

こいつ、俺の理性を殺しにかかってきてやがんのか?

「…………お前、下着は?」

『…昨日替えを持ってなくって……それで…ッ!!?』

スカートの中に手を忍ばせて秘部に触れると、既にそこは濡れている。
…が、それにしても反応がでかい上に、やけに生暖かい。

「………タイツ脱がしても?」

『!!……は、い…ッ』

黒色のそれを脱がしてやると、恐れていた事態が発生していた。
勘弁してくれ…せめて下着取ってから外出ろよ……
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