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第11章 縁というもの


「えーっと…蝶さん?」

『なんれすかぁ?』

「もしかして疲れて眠たくなっちまいました?」

『眠くないよ〜…ふぁ……』

欠伸しながら言ってんじゃねえよと軽く頭を小突かれた。

だって中也さんにギュッてされてるの心地いいんだもん、仕方ないじゃない。

「あーもう…ちょっと腰上げろ」

『んー…あ……』

言われた通りに腰を浮かせるとタオルを回収して脱衣場に行ってしまった中也さん。
置いてかれちゃった。

突然なくなったぬくもりにどこかぽっかりと虚無感が漂ってきて…というのとなんだか本当に疲れたのか身体がだるいのとで、目をうとうとさせ始める。

あれ、おかしいな…そんなに眠くなるような時間じゃないはずなんだけど。

うとうとしながらぼーっとしていると中也さんが戻ってきて、私に新しく下着を持ってきた。
顔を赤らめて片手で覆い、腕をプルプルと震わせながら。

「……お前、せめて自分で履いてくれ…目に良すぎんのも毒だ」

『中也さん可愛い…履かせてくれたら蝶もっと中也さんの事大好きになる』

「またお前はなんて事言い出してやがんだよ!?いいからとっとと『素直に言ったのにご褒美ないの?』…」

逆手に取られるとは思っていなかったというような中也さんの顔。
しかしやはり自分から言ったことに何も言い返せなくなったのか、恐る恐るとしてくれた。

「お前……ほんと、スイッチ入ったら勝てねえわ」

『えへへ…おいで~中也さん、蝶さんですよ』

「それおいでじゃなくて来てくれの間違いだろ?遠慮する」

『え……っ、わ!?』

断られたかと思えば突然横抱きにして抱えあげられた。
そしてそのまま中也さんは歩いていって、寝室の方に…入る直前に、リビングの証明が消されてしまう。

それに少しパニックになってビクッと中也さんに抱きつくと、中也さんはしばらくそこで静止していた。

「お前なんでいきなり……!!すまん、ちょっと頭回ってなかった、すぐつけてやっから捕まってろ!!」

言ってすぐにベッドまで移動して、ベッドライトをつけてくれる。
ほんのりと明るくなった部屋にようやく頭が落ち着いてきたものの、中也さんにしがみついたまま必死に呼吸を整えた。

「すまねえ、ちょっと俺もまだ頭がまともに回ってなくてな…」

『い、じわるじゃ…なかったの……?』

「んな趣味の悪い事するかよ俺が…」
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