第11章 縁というもの

『ｷﾞｭｰして、いーい…？』

｢お前がそれでしんどくねえんならいいけど、それでいいのか？｣

『ん…』

中也さんの背中に手を回すとよしよしと撫でられる。
こうしてるのが安心する…中也さんに触れてるのが、安心する。

呼吸が少し落ち着いてきた頃の事。

あそこにﾇﾙ､と指が触れて、身体がﾋﾟｸﾘと震えて強ばった。

｢濡れてる…のはいいが、もうちょっと濡らしておこう。痛かったら言えよ｣

『ぇ…あの、ｯ……ぁ、指…っ！！』

｢気持ちよくて耐えられそうになかったら背中にしがみついとけ、俺は痛くねえから気にすんな｣

ﾂﾌﾟﾘと指が一本、ゆっくりと奥まで入ってくる。
それからナカを撫でるように、今までのようにそこを大きく出入りし始める。

それだけでも私からしたら凄い刺激だ。
中也さんが言うにはたったの指一本…優しく撫でられるのにはめっぽう弱い。

『ぁ、っ…や、ぁ……ｯこれっ…！？……え、何…して…』

突然そこから引き抜かれた指。
中也さんの目が私を捉える。

なんで、やめちゃうの？
なんで抜いちゃったの？

｢言ったろ、素直にならねえ奴はいじめるって。お前、俺にそんなにいじめられてえの？｣

『…っ、ごめ、なさ……ｯ続けて下さ…ｯぁあ…っ、あっ…！』

再びナカに入ってきた指に、ちょっと間をあけられていたせいか一段と感じてしまう。
一本…たったの一本、入れられただけ。

ただ、ゆっくりと撫でられてるだけ。

『何これ、ぇ…ｯ、変っ！指止め……ｯ！！』

｢……どうした？止めてやっただろ｣

『！ち、がっ…な、んで止めて……ｯ』

｢…嘘吐いたのか？どうしてほしかった｣

今日の中也さん、なんていうか意地悪…焦らしてるなんてものじゃない。
身体に教えこませてる。
言葉にさせて、素直に快感に悦んじゃうようにさせられようとしてる。

『あ…ｯ、なんか今日、変……で…気持ちよくなりた……ｯｯ、あッ…!!ひぁ、ｯ…』

途端にまた動き出す指。
ｸﾁｭｸﾁｭいつもより水音を立てて、いやらしい。

『音立てな、っで……ぇ、ｯ…』

｢お前が濡らしてっから出ちまうんだよ、諦めろ｣

『そ、んなっ…ぁ、ｯ……なんでぇ、っ？なんでやめちゃうの、？私何も言ってな…』

｢音立てられたくなかったんじゃねえの？｣

そこまで言うのか、この人は。

抜かれた指を見せられて少し脚を震わせた