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第11章 縁というもの


「そうかそうか、そんなに好きか…って蝶、お前なんでんな泣いて……!?」

ギョッとしたように中也さんが横から顔を覗き込む。
それと一緒にビクッと指まで止まってしまった。

『…も、おしまい……?』

「いや、お前が泣いてっから…とりあえずソファー行って座ろう、な?いじめすぎたか…?」

中也さんが軽く私を支えながらソファーの方に誘導する。
しかし座ってみろと促されても中々座ろうとしない私を見兼ねてか、中也さんが先にソファーに座った。

「また何かしちまったか俺…?そろそろお前も好きになってくる頃かと思っ……うおッ!!?」

それを見て、中也さんの首元に抱きついて顔を埋める。

『好き…中也さん、好き』

「おお、そうかそうか、分かった。とりあえずそれなら泣き止んで…」

『手、動かせないの嫌…中也さんに触れないのやだ』

「!……ああ、成程。そういう事か」

中也さんの指がまた、項を撫で始める。
ピクリと肩を震わせるものの、もう私の身体はこれが好きだと思ってしまう。

この感覚が気持ちいい、この感覚が好きでたまらない。

だけどそれに合わせて、目尻がやはり熱くなる。

『ちゅ、やさん…身体、おかしいの。ゾワッてするのにすき、で……ッッ!』

「安心しろ、俺の趣味だ。今はまだ覚えさせてる最中だが…怖がらなくてもいい。そうなるように時間かけてしてんだよ」

『しゅ、み…?』

「蝶は従順で恥ずかしがりだからな…身体に色々覚え込ませて色々強請らせてぇだけだ」

とりあえず中也さんがこうなるように仕向けていたということだけはよく分かった。
でも、強請らせたいって何…

「俺の性的嗜好なんざ聞かねえ方がいいと思うぞ、多分お前じゃ恥ずかしすぎてショートすっから」

『!ど、ういう事…?』

「お前、キスしたいとか抱きつきたいとか日頃から俺に言ってくるときあるが……俺の頭ん中で自分がどんだけエロい事想像されてっか考えた事あるか?」

『エ……ッッ!!?』

中也さんからのまさかの発言に顔にブワッと熱が集まる。
何、そんなの知らないよ、何想像してるのこの人いったい。

「気絶すんの無理矢理止めて続けてやるのもいいし、言葉一つで感じるようにしてやってもいいし…ちょっと焦らして自分から強請ってくんのとかすっげえクる」

そう声を低くして囁かれただけで、ゾクリと身体が熱を持った。
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