第11章 縁というもの
「んで、蝶…こっからどうしたい?続ける?やめる?」
『ぁ…ッ、中也さんとこ、いる……』
「……俺はどうすっか聞いたんだがな。まあいい、可愛かったよ」
もしもこのまま下も続けられたらどうなっちゃうんだろう。
それを考えるとゾクゾクするけど、今はとにかく中也さんと一緒にいたい…中也さんを感じていたい。
撫でてもらえるのも好き、私の要望を聞いてくれるのも好き。
『…す、き……大好き…っ』
「おう、ありがとよ。俺もだ…とりあえず蝶、俺のでもいいから服着とけ。本当に風邪ひいたらやべえから」
『……中也さん、着せて…?』
「何、何なのお前今日、そんなに俺の事悶え殺しにかかってきてどうしてえの」
中也さんから発せられた言葉にダメなのかと思って少し俯くと、違う、いいよもう!着せてやるから!!と了承してもらえた。
朝と同じく中也さんのシャツを腕に通される。
『えへへ…中也さん私の親みたい』
「親だろうが、一応。何か文句あるかよ」
『んーん……こういうの、してみたかっただけ』
「!…ぷっ、せめてもうちょい色気のねぇ歳にやっておいて欲しかったもんだ。素直になんのが遅ぇんだよ、可愛いけど」
ボタンをとめていって、ミニ丈のワンピースのようになる中也さんのシャツ。
下着を取ってくる、と部屋に行ってしまい、中也さんは片手で顔を覆いながら一枚私のところに持ってきた。
『……照れた?』
「普通見るもんじゃねえだろうよ…お前が今日は動けなさそうだから仕方なくだ」
『履かせる??』
「おまッ!!?そ、それは流石に自分で履け馬鹿!!」
下着を私の近くに置いてからすぐに壁の方を向く中也さん。
今更だろ、はどっちの方なんだか。
予想通りすぎる中也さんの反応に思わず笑みがこぼれた。
「あ、蝶。折角の夏休み…今更だが、他にもしてみたかった事ってねえのか?今まで言えなかった事でもいい。どっか行ってみてえとか、してみてえとか」
お布団に入って中也さんにくっついていると、唐突に中也さんがそんな事を聞き始める。
交際を始めたからそういうところを気にし始めてしまったのだろうか。
そんなの気にしなくって大丈夫なのに。
『…中也さん、それでまたお仕事詰めて無茶する気でしょ。私別に、中也さんといれればそれで「違ぇよ」何がですか』
「俺もな、今年はもらうことにしたんだ」