第11章 縁というもの
ゼリーを食べ終え、お腹もスッキリして、紅茶も美味しく飲みきった。
時間はかなり遅いのだけれど、ここでとんでもない事態が発生する。
「いいから大人しくしてろって、いいじゃねえかもう何回も見てんだから」
『そ、そういうのいらないっ!一人でいいもん、中也さん先に……ッダメ!!』
この事態が発生してからすぐにソファの上に座らされ、中也さんの手によって服が脱がされかけている。
といってもこの人も無理矢理は出来ないらしく、私が抵抗しているためまだ脱ぎきってはいない。
上のシャツを脱がされかけているところでギリギリとどまっている。
「でもお前、入りてえだろ?それなら一緒に入ればいいじゃねえか、結構前にはお前の方から誘ってきてたくせに」
『あ、あれは冗談で…っ、ダメだからね、お風呂一緒に入るとかダメ、恥ずかしくて死んじゃうッ』
「…大丈夫、いつももっと恥ずかしい事してっから。つかその足でどうやって風呂に入んだよ、能力使ったところでまともに身体も拭けねえだろうが。それに風呂場で転んで怪我でもしたらどうする」
『転ばないし…多分「よし、観念して脱げ」ま、待って!!分かった、分かったから待って!!』
なんだよと溜息を吐く中也さんに、口をもごもごさせながら、仕方なしに声に出した。
『……た、タオル下さい…ッ』
すると中也さんは少しピタリと固まってから、無言でタオルを取りに行ってくれた。
言い知れぬオーラを身にまといながら私にタオルを持ってきてくれて、一体何事だと思ってちらりと見ると、中也さんは目を丸くしたまま私と目を合わせる。
『ッ、な…なんですか……?』
「いや、まさか条件付きとはいえ承諾されっとは思ってなくてな。…そういう事すっから可愛いんだよマジで」
『か、かわ……ッ、ち、中也さんが入りたいのかなって…それで』
「おう、タオルくらい全然いいぞ。寧ろいい」
何言ってんですかと焦って返せばボフッとタオルを顔に投げられた。
そしてそれと一緒に襟元にかけられる中也さんの手。
服くらいなら自分でだって脱げるのに、ここまでするかこの人は。
プチ、プチ、とボタンを外されていって、ボタンが下まで外されたころに、ようやく口を開くことが出来た。
『中也さん…っ、その……なんで脱がすの…?こ、これくらいだったら私にも…』
「…今は気にすんな、いい事してやっから」