第2章 特別なニチジョウ
頭から血が落ちて行く音が聞こえた。
毎日一緒にいると思っていた。
私の日常に竜ちゃんがいるのが当たり前すぎて。
これから毎日一人で通学するのかと思うと……
ニチジョウが崩れていく。
自分の部屋で鏡に向かう。
何がしたいわけではない。
なにがしたいか見つけるために進学する。
竜ちゃんは自分のしたいことを見つけてそれに向かって歩き出している。
自分の未来の為に進学する。
きっと今まで私が“日常”だと思っていたものは今後もずっと続くものではなく今だけの特別だったのだろう。
訳の分からない絶望にうち沈んでいると窓をたたく音がした。
「牡丹起きとうか?」
無言で窓の鍵を開けて顔を出す。
だめだ 最悪の気分だ。
なにがいやなのかわからない。