第2章 特別なニチジョウ
とはいえ私も女だし、他の子の恋愛話は面白い。
逆に相手の片思いの話に持っていってごまかしてしまう。
中学三年生にもなれば進学の話か恋愛話で持ちきり。
みんなと別れるのは寂しいけどそれぞれ夢に向かってがんばってるんだろう。
「…俺高校は東京の正十字学園に行く」
「……え?」
「もう願書も出した」
家に帰る途中竜ちゃんは私を見ようともせずに喋り出した。
真っ直ぐに何かを射抜くような目で夕日をにらむ。
「和尚に反対されるのはわかっとるから奨学金も申請してきた」
私は目の前が暗くなった。