第2章 特別なニチジョウ
顔を出すと竜ちゃんがぎょっとする。
そんなに酷い顔をしているのか。
「……なに泣いとんのや」
言葉にならない。
首を横に振る。
「牡丹は高校どこ行くか決めたんか?」
竜ちゃんの真っ直ぐな瞳が胸を射抜く。
「俺と志摩と子猫丸は一緒のとこに決めた」
あつい涙が後から後からあふれて止まらない。
今からでも進路変更出来るだろうか。
「牡丹もこぉへんか?一応進学高校やし」
もう立っていられなかった。
自分だけでは決められない私に声を掛けてくれる。
やっぱり竜ちゃんは大事な幼なじみだった。
膝から崩れて声を上げて泣き出した。
きっとこれからも特別なニチジョウを1日1日重ねて過ごしていく。
end.