第2章 特別なニチジョウ
規則的な足音がまだ静かな街に響いていく。
いつどちらから始めたか覚えていないけれど、ずっと続けてきた二人のルーティン。
特に話したりすることもなく、かといって沈黙が重いわけでもない。
散歩中のおばあさんと挨拶したりして40分程走るとちょうど一周して竜ちゃんのお家に着く。
一旦そこで別れて朝食を取って軽くシャワーを浴びる。
改めて身仕度を整えたら家を出る。
鍵を掛けると学校へ。
タイミングよくまた竜ちゃんが出てきてそのまま学校へ。
学校ではお互いに別の友達と付き合うし、お弁当だって別々に食べる。
よく付き合ってるのと聞かれるけど幼なじみなだけでそんな感じではない。
「え~?そんなことないやろー」
「高校だって一緒のとこにいくんやろ?」
お昼休みお菓子を食べながら話はまた竜ちゃんと私のことになる。
「虎子おばさんが言うには私と同じ近くの進学高校に行くことになってるんやって。」
「家族ぐるみやなんてやっぱり良いとこのボンボンとお嬢様は違うねー」
二人の女友達はニヤニヤしながらからかってくる。
「そんなん違うし!」
女友達はこれだからめんどくさい。