第2章 特別なニチジョウ
朝目を覚ましたら身仕度を整えてスウェットに身を包む。
長い髪は邪魔にならないように結い上げて、ミネラルウォーターとポータブルプレイヤーをウエストポーチに。
朝ご飯の準備をしてしまってから家を出る。
生まれてから毎日見てきた京都の街並みを登ったばかりの朝日が照らし出す。
この光景はいつ見ても町が生まれ変わったみたいで気持ちがいい。
ひとつ大きく深呼吸してゆったりと隣の家の勝手口に向かって歩いていく。
勝手口まで後数歩という所で、趣ある膠塗りの木戸が開いた。
中からのっそりと出てきたのはお隣の一人息子の竜ちゃん。
ランニングシューズのつま先を道に数度ぶつけて腕時計をはめている。
「おはよう」
「おはよう」
目が合うとどちらからともなく挨拶をして軽く身体をほぐしていく。
準備が出来たらゆっくり走り出す。