第7章 06
『ハッ、ハァ…さっきの場所が並盛通りで、ここが…』
よく晴れた某日の午後
少しダボついたトレーナーにショートパンツ、そしてエンジニアブーツという運動に適しているとはあまり言えない格好で、並盛町内を1人の少女が駆け抜けていた
『ここが並盛公園だから…』
公園のフェンスやベンチ 遊具を、よじ登ったり飛び越えたり
文字通り駆け抜けている
俗に言うパルクールだ
『確かあっちに行くと並盛商店街だったな…』
普通のランニング等とは違い、様々な障害物をこえて進むのでかなりの体力や集中力が必要だ
『少しは道も覚えたしもう少し先まで行ってみようかなぁ〜』
そんなパルクールもなんのその、さんは民家の塀を器用に走りながらここ1週間で慣れたコースを走っていた
中にはギョッとする通行人もいるが、さんにはあまり関係のないことであった
事の発端は、先日受けた屈辱の頭部打撃
さん曰く『チンピラ風情になんたる不覚!!平和ボケした頭と身体の脂肪削ぎ落としてやる!!!』だそうだ
特に太っているわけではないし、ガリガリなわけでもない。むしろバランスのとれたとてもいい体つきだと言えよう。
しかし、そんなツッコミを同居人である雲雀恭弥が言うわけもないので本人がどう思っているのかは不明ではあるが、それはまた別の話。
『なーんか面白い酒屋とかねぇのかよ…』
キョロキョロと周囲を見回しながら走るさんは慣れた道で少し気を緩めていたのかもしれない
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