第5章 04
応接室に戻った雲雀はソファで寝息を立てるさんをみてため息を吐いた
雲「まったく…気持ち良さそうな顔して…」
そしてそのまま学ランをさんにかけるとデスクに腰掛け資料に目を通した
日も暮れ 部活の生徒ももう校内には残っておらず応接室のみあかりが灯っている
雲「ねぇ…帰るよさん」
ゆさゆさとさんをゆり起こせばゆっくりと目を開けて驚いた様に雲雀を見つめる
雲「なに?」
『え…いや
いつから居たんだ?私ずっと寝てた?』
いつも緊張の糸をピンと張った様な状態で生きていたさんが雲雀が室内に入ってきたことに気付かなかった
確かに雲雀は騒がしく動くタイプではない…だがそれでもさんは気配を察知する能力には自信があると思っていた
雲「そうだね、間抜けな顔して寝てたよ」
雲雀はからかうようにニヤリと口元を上る
『てめ!!……はぁ
ま!!へーわって証拠かね…コレさんきゅ』
さんはかけられていた学ランを簡単にお礼を言って雲雀に返すとグッと伸びをした
荷物をまとめ校舎から出るとブルッと身震いをするさん
日が落ちてしまっては外は冷える…両腕を撫でてノロノロと歩けば雲雀に学ランを投げ渡される
雲「はやく帰るよ…お腹すいた」
少し驚きながらも学ランを受け取り肩にかけると
『ん、今日はあったまるモン食べよう』
雲「ん…」
そんな会話をしながら2人は家路についた