第40章 『ただいちどたけ』〜 相葉×二宮〜
「ニノ…俺が透き通ったままじゃいけない訳、分かった?」
「……」
「俺……ニノに会いに来るだけじゃなくてさ…
ニノのこと、……その…ニノを…」
「ま、待て!」
「えっ?」
「ちょっと待ってよ!そんなこと言ってもさ、
俺…急にそんな…だって、おまえ…」
「……ダメ??」
ダメ…って…
眉を下げて情けない顔した雅紀…
でもその目の奥に、相変わらずの熱を湛えてる。
その目に、自然と俺の顔も熱くなる…
「ダメ…かな?」
「だ、ダメかなって…俺がダメだって言ったらどうすんだよ?おまえ…」
「どうしよ~…(´・ω・`)」
そんな情けない顔するなよ!
おまえの覚悟って、そんなもんなのかよ?
俺がさ、
もしダメだって言ったら、すんなり諦めるのかよ?
そんな簡単に…
「ねえ、ニノ…」
「な、何だよ…」
「あの時さ、何て言ってくれようとしたの?」
「……あの時って…」
「俺が死ぬちょっと前。
俺はおまえが好きだから、付き合って!
って、そう言ったんだよ…
そしたらニノ、『俺も…』って…
その続き、聞かせて?」
………聞かせて、って…
改まって言われると、言えないよ…
「ニノ、好きだよ…ニノは?
俺のこと好き?…好きでしょ?
好きだよね?」
「………知らない…」
この期に及んで素直になれない俺…
すると雅紀は、
「じゃ、俺が言ってやるよ。
おまえは俺のことが好き…でしょ?」
「なっ…」
その時、雅紀の唇が俺のに重なった。
まだ好きって、言ってないよ…俺…
おまえが好きだって………
雅紀の唇は、優しく俺のを啄む。
そのキスは、涙の味がした。
……そんで、初めて触れる雅紀のそこは、
俺よりもずっと温かだった。
俺は、オバケの雅紀の腕に抱かれ、
初めてのキスをした…