第40章 『ただいちどたけ』〜 相葉×二宮〜
雅紀の腕に……
夢にまで見た雅紀の腕に抱かれて、
涙が自然と頬を伝わった。
雅紀が目の前で死んでも、
雅紀の親がどんなに悲しんでも、
毎日、ずっと一緒だったおまえがいなくなっても、
全然泣けなかったのに…
一滴も涙なんか、流れなかったのに…
なのにさ……
何で今、俺、こんなに泣けるんだよ……
あの日から3年以上も経った、
今になって……何で……
「泣かないで…ニノ…」
「…えぐっ…泣いて…えぐっ…なんか、いな…」
「お前に泣かれると…俺…俺まで…」
「だって…だって、おまえが…」
「ニノぉ~///ごめんね…一人にして…
俺だけ先に死んじゃって…ホントに…」
「う゛っ…えぐっ…バカッ…」
今までずっと、
涙を堪えてたんじゃない。
泣けなかっただけ…
認めたくなくて、
認められなくて、
雅紀が死んだこと………
「にのぉ~(;_;)俺、おまえに…ずっと会いたくて…
ずっと、後悔してて…
こんなことになるんだったら、もっと早く好きだって…そう言っちゃえばよかったって…」
「…まさ…き…」
どうでもいいけど、何で死んでるのに
こんなに温かいんだよ?
これじゃ、俺…俺……
雅紀の透けてないシャツが、俺の涙で色を変えた。
「告白して、さっさと抱いちゃえばよかったって…」
「ばっ///」
俺は雅紀の胸を突き飛ばした。
雅紀の目が…
俺を見つめている…
俺は見つけてしまった。
その中に、燃える欲情の色を…
「な、何言ってんだよ!さっさと、ってさ!!」
「…………」
雅紀は何も言わず俺を見つめる。
その、見たことも無い様な真剣な眼差しに、
俺は言葉が出なくて……
何だよ…
抱くって///(>_<)
そんなの……
あり得ないよ~
だっておまえ、オバケじゃんかっ///