第40章 『ただいちどたけ』〜 相葉×二宮〜
無視してればいいんだけどさ。
霊媒師があんまり頓珍漢なことしか言わないから、死んだその人が気の毒になって。
TV局に手紙を送ってやったんだ。
その人が伝えたかったことを書いて…
後から、霊媒師のお陰で、
死者から手紙が来た、
とか言って大騒ぎになったけどさ~…
『それ、俺が書いたんだよ、ば~か』
って思った。
まあ、そんなことをしてやったのも、
後にも先にもそれ一回きりだし。
透き通った人は、巷で言う程、
怖いもんでもなくて。
公園で鳩に餌をやってる人もいれば、
ストリートミュージシャンの下手くそなギターと歌を、辛抱強く聞いてやっていたり…
居酒屋で、ひとつだけ空いている席で、
賑やかな酔っぱらいの仲間になっている人もいた。
俺について来る人もいたけど、
無視していればそのうちに居なくなった。
呪いとか、祟りとか、
そんなおどろおどろしいものには、
未だかつて、お目にかかったことも無かった。
ところが………
一週間くらい前から、しぶとく俺について来るヤツがいた。
もちろんいつものように無視していたけど、ずっと着いて来て…
しかもそいつは、気配だけで、
姿を全く見せないんだ。
そんなのも実際今までもあるからね?
無視してたんだけど。
………まだ居るのかよ…
コンビニで、おでんとビール、チキンを半額にしてくれるっていうからそれも買い、
アパートの部屋に入っても『そいつ』は居て…
チクショー…(-ω-)/
いい加減にどっか行けよ///
姿の見えないそいつを無視し続けて、
テレビを観て、買って来たのを食べた。
…………チッ///
風呂でも入るか~