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風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮



智くんとお揃いの、
真っ白なバスローブに身を包み、
俺は覚悟を決めていた。


智くんが俺を抱きたい、って、
そう思っているのなら、

俺はそれを受け入れる…


怖いけど…

もちろん、その場になったら逃げだしたくなるくらい、そんくらい怖いけどさ…

でも、その覚悟はもうちゃんと出来ていた。


「翔ちゃん…もう、寝ようか?」
「う、うん…」

智くんが俺の手を引いて、ベッドへ…


智くんに手を引かれて、一緒にベッドに上がった。


見つめ合い…
ゆっくりと重なる唇。

熱さと緊張が、
そのまま唇から智くんに伝わった。

だって仕方ないじゃん!
初めてなんだから……


でもね。

いきなり奪われた、あのキスと違って、
ベッドの上で抱き合いながらしたそれは、

優しくて…

甘くて…

蕩けるような、ソフトな……

啄むだけのそのキスに、
俺が目を開けると、智くんも俺を見ていた。


「……あの…」

何て言ったらいいのか、分からない。
『何でそんなキスのまま?』
っていうのも変だし…
『舌、入れて』
なんて言えないし…

「俺さ…翔ちゃんの事、大切にしたいんだ」

智くんは、そう言った。

大切に…って……


「本当はね?今すぐにでも翔ちゃんを抱きたいよ?でもさ、ゆっくり育てたいんだ…

一歩ずつ、ゆっくりと、翔ちゃんに近付いていきたい…そんなの、ダメ?」

ダメなんて、そんなことあるはずない…

嬉しくて…

智くんが、そんな風に考えていてくれたことを知って、俺は泣きそうになって慌てて俯いた。


「…あり、が、と…」

そう答えるのがやっとだった。


俺達は、1つのベッドで、
お揃いの真っ白いバスローブのまま、
抱き合って眠った。



……それが、相葉くんが知りたがっていた二人の夜の真相…



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