第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
俺達は4人で、他愛もないことを話しながら、
朝食を食べ始めた。
そこに、松潤もやって来た。
「おっはよ~」
明らかに寝不足の顔してて…
「夕べ、何時?」
そう聞くと、松潤は出し巻き卵を頬張りながら、
指を2本立てた。
2時までやってたんだ……
「お疲れ様」
ニノのねぎらいの言葉に、松潤はもぐもぐしながら、
親指を立てて笑った。
この後、本番前の最終チェックとリハがあって、
いよいよ、俺達の20周年のツアーが幕を開ける。
ファイナルで発表予定の『and more』まで入れれば、かなりの長丁場だ。
でも、5人なら…
この5人でなら…乗り越えていける。
今までもそうだったように、
これからだって…ずっと、ずっと…
「あ~、もう、何やってんだよ~」
珈琲が熱かったらしく、零して咽てる相葉くんを、
ニノが甲斐甲斐しく世話してる。
それを、智くんが笑顔で見ている。
いつもの俺たちの空気感だ。
松潤は相変わらずPCを見ながら、豚汁を飲んでいる。
一緒に同じスタートラインに立ってから、
19年が過ぎた。
ここまでくる道のりは、決して楽じゃなかったし、平坦でもなかった。
でも、俺達はお互いを信じて、
同じ方向を向いて、一歩ずつ歩いて来た。
これからも恐らく…
いや、きっと。
それは変わらない…
俺達を取り巻く環境が変わってしまっても、
俺達はその日を、穏やかに迎え、受け入れるだろう。
いつも、それは覚悟しているから…
苦しい頃に描いていた夢のステージに、
今こうして5人で立てる幸せを、
もがき苦しんでいた俺たちは噛みしめて……
「よし!リハ、出来る?」
「おう」
「やるか~」
「出来るよ!」
「行くぞ~!」
松潤の声に、俺達は立ち上がった。
さあ、行こうか…
いざ、
光の中へ……
………あれっ??
なんか違くね~??
そう思ったそこのあなた!
これで終わりなの~??
って思ったよね?
夜…二人がどうなったか、知りたいでしょ??
……それはね~…(*^^*)