第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
【翔】
もう~、相葉くんが変なこと聞いて来るから、
意識しちゃうじゃん///
でもこうして、智くんと並んでステージを見ていると、
初めて国立でコンサートしたときのことを思い出す。
あの時はもう、夢のようで…
こんなところでできるのは最初で最後だろうって。
下見とか、リハの時から、記念の写真をやたらと撮り捲っていた。
智くんと二人で見上げた青空…
今も鮮明に思い出せる。
肩を並べて、空を見ながら、
「今まで、ほんとにありがとね~」
そう言った俺に、智くんは、
「何それ?終わりの挨拶みたいじゃん。」
と笑った。
そんで、その後、
「翔くん、これからもずっとよろしくね」
智くんはそう言ったんだ…
俺はその智くんの綺麗な横顔に、
何も応えることができなかった。
これからも…ずっと…
智くんは深い意味がなく言ったのかもしれないけど。
俺にとっては、
これ以上ない胸キュンWordになったんだ。
『ずっと、一緒に』
俺達は嵐のメンバーだから、
5人でずっと…それは守るべき目標でもあるんだけど。
智くんに、特別な気持ちがある俺にとって、
彼に『ずっと』…
そう言われたことが、言葉では言えなくらいに嬉しかったんだ。
「…やに…行っていい?」
「えっ?何??」
つい感慨に浸っていて、智くんの言葉を聞き逃した。
音響のせいにして、
「ごめん、よく聞き取れなくて…何て言ったの?」
「今夜、翔ちゃんの部屋に行っていい?」
俺の顔を見ることもしないで、
智くんはそう言った。
「部屋?…なにか、よ、用で?」
「…一緒にいたいから…そんな用じゃ、ダメ?」
………(;・∀・)
俺は智くんの顔を見つめた。
それこそ穴の開くほどに、じっと見つめた。
その顔は、日焼けで黒くてよく分かんないけど、
耳が真っ赤だった。