第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
「…………」
じっと見つめ合うその距離、30㎝…
これって、もしかすると、壁ドンっていう…
俺の方が身長あるから、智くんは少し見上げる形で俺をじっと見つめた。
「…あの…」
/////////嘘っ!?
何も言わず、智くんの唇が俺のに重なった。
しかも擬音に変換するのなら、
『ブチュ~ッ』って感じで…
頭の中が真っ白になって、石の様になった俺の手首を壁に縫い付けて、
智くんは一気に舌を捻じ込んできた。
マ、マ、マ、マ、マジか//////
天変地異が起きたんじゃないかって程驚いた俺は、大きく目を見開いたまま智くんの顔を見た。
長くて綺麗な睫毛が震えるように動きながら、彼の舌は別の生き物のように俺の口の中を蹂躙する。
「…んっ///」
思わず漏れた声に、智くんはすっと薄目を開けた。
………当然、バチッと目と目が合う。
しかも超至近距離だ。
すると、智くんは密着していた唇を離した。
…ふたりの間に、銀色の細い糸を引きながら…
すうっと細められた目は優しく笑みを作り、
「目え、閉じてよ~」
と言って笑った。
「あっ?…あ、ご、ごめ…」
すると彼は声を出して笑いだし、
「翔ちゃん…面白い…最高♡」
と言った。
その言葉に一気に現実、
我に返った俺は、真っ赤になった。
初めてキスした事よりも、そのキスがあんまりにも稚拙で笑うに笑えない代物であったことが…
耳まで赤くした俺に、
「続きはまた今度な♪」
智くんはそう言って悪い顔をして見せた。
「……うん…」
//////うん、じゃね~よ、うんじゃ!!
俺いつから女子高生になった!?
これじゃ、付き合い始めた彼氏に翻弄される可愛い女子より、数倍可愛い(≧▽≦)
「帰ろっか」
壁に縫い付けた俺の手首を解きながら、
智くんは俺から身体を離した。