第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
俺の前をズンズン歩く智くん。
なんかさ、メッサ男前なんですけどぉ~(^^;
そのまま、駐車場の俺の移動車に向かって迷いなく進んでいく。
「あの…智くん!」
「何?」
脚を止め、振り返った迷いのない瞳に、
なぜか目が泳ぐ俺…
「智くんのマネに、その…」
「もう言ってあるし、帰ったと思うよ~」
「あ…そうか…そうなんだね…」
あまりの手回しの良さに、驚くを通り越して、
もう、若干引くレベル…
そりゃ嬉しいよ~?嬉しいけど…さ。
こんな行動力見せる智くん、
俺は今まで知らない訳で…
「じゃ、行こ」
「あ、うん…」
智くんは俺の手首を掴んでまた大股で歩き出した。
……子どもの頃、デパートで迷子になった後、
母親に手を引かれて歩いていた映像が浮かんだ。
………俺の、保護者みてぇ~(;^ω^)
車に乗り込むと、
「翔ちゃんのさ、いつも行ってるお洒落なお店に連れてってよ!」
いつも…って。
「お洒落って言っても、普通だけど…」
「いいの!嵐の櫻井翔が贔屓にしてる店、ってだけで、それがもうお洒落なの!」
「………」
なんか、違う気がするけど…
それでも俺は、いつも使ってて、融通の利く馴染みの店に電話を入れた。
「ふう~ん…翔ちゃん、こういうお店で飲んでるんだね~」
智くんは、個室に入ってもキョロキョロしている。
「まあ、座ろうよ」
俺が椅子に座ると智くんもその前に腰を下ろした。
なんか……ちょっと緊張する(≧▽≦)
「いらっしゃいませ~、
いつもありがとうございま~す!」
早速顔を出してくれた店員さんは顔なじみ。
「急に大丈夫だった~?」
「勿論ですよ!翔さんなら他の客追い出してでも席作りますんで!」
「ははは、そんなのダメでしょ~」
ビールと、摘まみになりそうなものをいくつか、
お勧めというものも含めて注文した。