第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
コンサートも間近に迫っているから、
俺たちはほぼ毎日、リハのためのスタジオで、汗を流していた。
ダンスにしたって、歌にしたって、
余裕かましてる場合じゃないから…
もう本番の札幌も迫ってるし、
俺の場合は、みんなよりも特に頑張ってやんないと。
……
…………
でも…がむしゃらに踊るニノに、
どうしても目が行ってしまう。
汗で、張り付く前髪。
上がる息。
真剣な眼差し。
綺麗な白い首筋…
今夜…俺…ニノの家に…
「相葉く~ん、遅れてるよ!」
「あ、す、すみません」
ダメだダメだ!しっかりやんなきゃ!!
俺は、頭の中に浮んだ良からぬ邪念を振り払うように頭を振った。
そんな俺を、ニノがこっそり見てたことは、
全然気付かなかった、けど…
その日のリハが終わったのは、夜の8時。
6時上がりの予定だったから、2時間延びたことになる。
俺と翔ちゃんが、二人で先生に個人的に振りの練習を受けてる間に、ニノはシャワーをしてきたらしく、スッキリした顔をし、遠くから俺を見ていた。
あ、目が合った!
ニッコリ笑うニノに、俺の心臓は…心臓は///
「相葉くん、もう疲れてるみたいだし、今日はこの辺にしとこうか~?」
「あ、でも…」
「そうしよっか?今日のところまで、家で復習してきま~す!」
翔ちゃんがそう言ってくれて、俺たちの居残りレッスンは終った。
あ、一応、俺と翔ちゃんの名誉のために言っておくけど。
残れって言われたわけじゃなくて、自ら俺と翔ちゃんでお願いしてやって貰ったんだからね?
↑そんな言い訳しなくても…
「待ってて!俺車だし…急いでシャワーして来るから!」
ゲームをしているニノにそう言うと。
「いいけど~?そのままでも…」
「いや!そう言う訳には…直ぐだから!」
大急ぎでシャワーに向かう俺に、翔ちゃんが、
「いよいよ今夜なの?」
と言った。