第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
聞けば、告白して、『知ってる』っていう謎の言葉を返されてから一週間。
事態は何も変わってないという。
その後、ニノの態度は何も変わらないし、
勇気を持って、さり気無くデートに誘っても、
上手に誤魔化されてしまい、心折れたと言う事。
「相葉くんさ、ニノとどうしたいの?」
「はあ~?どうって…そんな///」
そう言った相葉くんは、見る見る間に真っ赤になった。
その顔を見ただけで分かったって…
何だよ~///
俺まで顔が熱くなるつ~の!!
「翔ちゃんはさ…大野さんに好きだって言ったの?」
「……言った…今日、だけど…」
「今日~??今日なんだ!すげ~!ほやほやじゃん」
「もう~!笑い事じゃないよ~///」
俺は、清水の舞台から飛び降りた時の事、
相葉くんに話した。
その後の大野さんの態度も含め…
俺の気持ちも、訳が分かんない不安も、全部…
話終った俺が、大きく息を吐くと、
同時に相葉くんも肩を落として項垂れた。
「でさ、どうすりゃいいかな~、俺たち…」
「うん…どうしようか…」
この件に関しては、俺たちは素人だ。
いや、言い方が可笑しいか?
こういう恋愛に関しては、俺たちはずぶの素人と同じ…
今まで女の子との間で培ってきたスキルは、
何の役にも立たない…
男だ…っていうことだけじゃない。
相手は20年以上も一緒に歩いて来たメンバーだ。
ある意味、セックスがないだけで、
別居しながらも今までともに人生を歩んできたパートナーみたいなもんだ。
その関係性に一石を投じようっていうんだから、
その方法が分からないのも仕方ない。
俺たちは、長年連れ添ったパートナーに、
今更関係を迫ろうとしている訳で…
それはフランス革命よりも、ある意味、難しい問題を抱えているように感じた。
「「はあぁ~…」」
再び、溜息は綺麗にシンクロした。