第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
【翔】
なんだよ?
何でお前、そんな顔してんだよ??
俺は、いつもは元気な相葉くんの
しょぼくれた横顔をじっと見つめた。
すると、彼は俺の視線に気付いて、
いつもとは少しだけ違う笑顔を見せた。
「…元気ないじゃん…」
「うん…まあね~…」
否定しないんだ…
………思い切って、彼に相談してみようかな?
別の目で見て、どう思うか?
智くんが、どう考えているのか?
相葉くんなりの意見を聞いたら、
なにか、先が見えるかもしれない…
後で思ったんだけど、
きっとこの瞬間、相葉くんの大きすぎる溜息を聞いた俺は、彼に同じ匂いを感じたのかもしれない。
「相葉くん、この後、飯でもどう?」
すると彼は、驚いた顔をして振り返り、
自分を指さして『俺に言ってんのか?』
と、目で聞いて来た。
『あなたしかここにはいないでしょ?』
俺も目でそう答えた。
「うん…いいよ~。行こっか」
相葉くんはニッコリそう言いながら立ち上がった。
彼の笑顔は、ともすると荒みそうな俺の心を、
明るく照らしてくれそうな…
そんな予感がした。
俺たちは、スタジオの近くの中華屋に入った。
個室になっているので、周りを気にしなくてもいいから、ここでの仕事の後、嵐は時々利用していた。
注文をして、他愛もない、仕事の話なんかしていると、直ぐに料理が運ばれて来た。
俺はタンメン、相葉くんは中華丼、餃子をそれぞれ注文した。
「「いただきま~す!!」」
まあ、食べてから話すか~…
俺は、箸で麺をすくい上げ、フーフーして口に入れた。
その時、
「翔ちゃんの悩みって、リーダーの事?」
ブゥ―――――ッ//////
口に入ったばかりのタンメンは、そのまま器に戻った。