第38章 『はじめのいっぽ』大野×櫻井、相葉×二宮
う、う、うけねぇ~わ!!
何だってんだよ~…お前たち。
「おはよう~」
その少しあとから、濃ゆい顔もやって来て、
俺の一世一代の告白は終了した。
そっからは、メイクだの衣装合わせだので、
楽屋はいつもの賑やかさに包まれた。
ほんの30分前…
俺は、清水の舞台から飛び降りるつもりの覚悟で、
30過ぎてなんだかな?
とも思ったけど…
ずっと秘めて来た恋心を告白した。
男同士だから。
メンバーだから。
失敗したら気まずいから。
今までの関係が壊れてしまうから。
あげればきりが無いほどのリスクを背負って。
それでもどうしても、
伝えたかったんだ。
智くんに…俺の気持ち…
一緒に嵐になって20年になろうとしている今…
俺の気持ちに、区切りを付けたかった。
ダメならダメで、
20年分泣いて、新しい一歩を踏み出したかった。
↑最初っから、泣くつもりだったらしい…
『付き合おう、俺たち♪』
そう言った智くんが、あんまりにも自然で、
その言葉の深さを、感じることができない。
あの人、付き合うって、どんなことなのか、
何するのか…
↑自分で考えて勝手に赤面する…
分かって言ったのかな?
俺は、ニノの向こう側で、
松潤と話している智くんの横顔を盗み見た。
いつもの顔だ…
40近いとは思えない、可愛い丸顔…
まあ、最近やたらと黒いけど…
すると、俺の視線に気付いた彼が、
誰にも分らないように俺に片目をつぶった。
………ウインク、なのかな?
今の…世間一般的にはウインク、だよな?
初めてそんなことされて、
俺の頭はまたしても思考停止した。
智くん……
なんなん??マジで??
俺…この後、どうすりゃいいんだよ~( ;∀;)
『じゃ、嵐さん、お願いしま~す!』
スタッフの声に、俺たちは一斉に立ち上がった。