第37章 『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活④~櫻井×二宮~
「う~ん…」
「ダメですか?」
黙ってじっと見入る彼に、
なんか変な手相なのかな~?と不安になる。
この前番組で見て貰った時は、
結構いい事言われたのにな…
「櫻井…今、大切な人がいる?」
「えっ??」
「その人は、直ぐ近くにいるって出てる」
直ぐ…近くに…
「すごっ///」
「当たってるんだ」
「あ、いや、え~っと…ハイ、当たってます」
俺は正直に答えた。
だって、今日は木村くんに…
「その人とは、もう長い付き合いだろ~?」
「木村くん、凄いね~」
思わずかずが口を挟んだ。
………そんなに、はっきり分かるんだ~手相って。
木村くんは、俺とかずを交互に見ながら、
俺の手を離した。
「櫻井…その人の事、大事にしろよ?」
「あ、は、はい!!大事にしています!」
「そっか~、ならよかった…幸せなんだな~」
木村くんはそう言って笑った。
………よし、今なら…
「あの、木村くん!!」
俺が急に正座をしたから、
どうした?ていう感じに目を見開いた。
「実は、俺の大切な人って言うのは…」
「………」
じーっと見つめられて、俺の喉がゴクリと鳴った。
かずも、俺が何を言い出すのか分かったらしい。
黙って、俺の横顔を見ている。
「二宮和也…ニノなんです!俺の大切な人って」
「……」
表情を変えない木村くんに、一瞬怯んだけど、
ここまで来ちゃったら、もう後戻りはできない!
「俺たち、結婚してるんです。
社会的にも、パートナーとして、
受理されています!」
「木村くんには、いつか俺から話そうって、
そう思ってたんだけど…」
かずも、俺に続いてはっきり言った。
「そうだと思ったよ~(^^)」
「「えっ??」」
「もう、何か漏れ出てるもん…
二人の世界っていう感じが…」
そんな…
今まで、隠してきて、慣れてる筈なのに…
俺は正直、少しショックだった。
だけど…
木村くんが、ライバルなんじゃないかって思ったから…もしかしたら、わざと出してたのかも…(^-^;