第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜
「ニノ…俺のこと好きだって言ったよな?」
頭の上から降ってくる声…
今まで聞いたことも無いような、真剣な声…
俺はゆっくり顔を上げた。
「そう言ったよな?」
「うん…言った…」
「あれは、本気か?」
「あんな状況で冗談かますヤツなんか、いるのか」
「本気かって聞いてんだ」
……何だよ…そんなさ…
なんなら、あんただって言ったじゃん…
……俺を好きだった、って…
俺は黙って立ち上がった。
思いの外大野さんとの距離が近くてビビる…
「俺が言ったのは聞こえてたよな?」
コクリと頷いた。
いつになくマジなんだもん…もう、茶化す訳にもいかなくて…
「俺、お前が生きててくれて、ホントによかった…
あの時、手を離しちゃった瞬間、お前を一人で死なせないで、俺も飛び降りれば良かったって…そう思った…」
……大野さん…
「今まで一緒に嵐やって来て、ニノが側にいるのが、
いてくれるのが当たり前だと思ってたから…
気持ちなんかいつでも伝えられる、ってそう思ってた。
だけど…そうじゃないんだよな~…
当たり前じゃないんだよな…
ニノがいつもいてくれること。」
……大野…さん…
「俺、今までを無駄に生きすぎてたんじゃないかって、そう思ったんだ。
だから…こっから始める…
今までの無駄を取り戻す!」
「えっ?…あの…」
急に、最大級の真面目が腐ってる顔で俺を見つめる大野さん…20年も一緒にいて、初めて見る顔…
「俺は、二宮和也が好きです。
だから今、ここの場所から、ニノと付き合います!」
…………
だから、
真面目が…
腐ってるんだよ…全く……