第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜
「ニノ、行くぞ!」
そんな俺の肩を、後ろから翔ちゃんが叩いた。
「うわっ///」
ビックリして飛び上がった俺に、翔ちゃんは、
「楽しみだな…こ・ん・や❤」
そう不敵に笑った。
「えっ??」
「ガンバですっ♪」
翔ちゃんはそう言って、わざとらしく両手でガッツポーズを作った。
……この人、今のやり取り、見てたんだ///
天候もさっきの事が嘘のように回復したから、
取りあえずは、帰るってことになり、
俺も慌ててその後に従った。
頭の中は、パニックのまま。
その時。
「あ、あれ、カモシカです!!」
スタッフの声で、みんなが一斉に向こうの急斜面に目を向けた。
するとそこには、2匹のカモシカが断崖絶壁を渡っているところだった。
「思ってたよりでっかいな~!」
「めっちゃこっち見てるじゃん!」
「あれって、夫婦かな~?」
相葉くんの素朴な疑問に、ガイドのお兄さんが、
「ですね~、まあ、つがい、ですけど…」
「つがい?そっか!つがいか~?」
………あなた、何年動物番組やってんのよ(-"-)
念願のカモシカの画も録れたし、
大野さんの怪我もたいしたことなかったし、
このロケは大成功だろう。
番組的には…な…
帰りのロケバスでは、勿論離れて座った。
疲れてるオーラを珍しく出し捲りの俺に、
誰も近付いてはこない…
目を閉じて思い出してみる。
あの時の事…
これで俺は死ぬんだ///
そう思ったから、
そう思ったからこそ、言った言葉だ。
そりゃあそうだろう?
だって墓場まで持ってくって、決めてたんだから。
それなのに……
……………
ああああああああ///
あの時間に戻したい///
いや、あの時の自分に言ってやりたい。
『絶対に言っちゃダメだ、
お前はこの先もあの人と嵐やってくんだから』と……