第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜
もう一度、ゆっくりと大野さんを見ると、
やっぱりあの人も俺のこと見てた。
……どうしよう…(-_-;)
すると、そんな俺を見かねたのか、
大野さんの方から近付いてきた。
真っ直ぐに俺の方に向かって歩いて来る。
「やっ、えっと…あの…」
「ニノ…」
「あ、あのさ、あ、ありがとね…助けてもらって…
つ~か、迷惑掛けちゃって、ほんと…」
もう、言葉も何も考えてなかったから、
史上最大の『しどろもどろ』
すると大野さんの方から、
「今日、お前んち行くから」
「へっ??」
予期してなかった言葉に、俺はぽかんと口を開けて固まった。
「この後、お前んとこに行くから、
他には誰も呼ぶなよ」
他に…??他にって、えっ??
なんで??
固まったままの俺に、ニカッと見たことも無いような笑顔を残して、大野さんはみんなのところに戻ってしまった。
…………なんだ??今の…
意味が分からない…ただ…
家に来るって。
誰も呼ぶなってことは、
あの人も一人で来るってことだよね?
………もしかしてだけど、さっきの俺の発言…
遺言として残したつもりの…あれ…
なんなら、
遥か下まで滑落してしまった俺に、
↑二人はそう信じていた…20分前…
あの人がくれた『最期の言葉』
………
『俺もずっと、お前が好きだった』
家に来て、あの言葉についての、補足説明……とか?
…………頭が働かない。
傾向と対策について、なんの名案も浮かばない。
二宮和也、人生史上初の、
大ピン〜〜チ(;・ω・)