第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜
「お~い、ニノと智くんいたよ~」
「良かった~!大丈夫だった?」
「うん、霧で迷子になっただけだから…」
霧で…迷子…
迷子になった、だけ…
大野さんも、気まずいのか俺に声を掛けてこない。
というか、大き目の岩の上と下で、
ドラマチック過ぎる愛の告白しちゃった俺は、
大野さんの事を見ることができないから。
彼が今どんな顔をしているのか…
何を思っているのか、
全く分からないんだ…
「智くん、すりむいてるね~、一応消毒してもらっとく~?」
「あ、うん…そだね…」
「ニノ~、良かったね~!!なかなか帰って来ないから、やっぱり大きい方だったんだね、って松潤と話してたんだよ~」
相葉くんに悪戯っぽく耳打ちされても、
やり返す気にもならない…
あああ、寧ろ、大きい方だったらよかったのに。
………でも…
だけど………
大野さん、言ってたよな?
俺のこと好きだったって…
俺がいたから、嵐やって来た…って。
まさか、あの場で俺の事、揶揄ってるってこと、ないよね~?そんな余裕なかった…筈だし…
ということは……
と言う事はだ。
俺たちは、両想いってことになんないか?
お互いにずっと、想い合ってたって…
そういう事、だよな??
俺は、恐る恐る、腕の治療をしてもらってる大野さんをチラッと盗み見た。
すると、あの人も、俺を見ていた。
!!!!
バッチリ目が合っちゃって、俺は慌てて目を反らせた。
なんだよ///
見てんじゃね~よ///
……もう、俺、どうしたらいいんだよ~!?
こんな状況の時、どうしたらいいのか、
俺の今までの経験の中には、答えなんかない!
何て声を掛けたらいいのか!?
…………あ、俺まだ、お礼言ってない///
助けてもらった…
「ありがとう」って…
そう言わなきゃ…だよな…