第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜
「じゃあ、無理しないでゆっくり下山しま~す」
山岳ガイドの合図で、俺たち一行は山を下りる。
俺の後ろには、大野さんがぴったりと着いてくれてる。
よっぽど信頼ないんだな~…(^^;
「ニノ、足元気を付けろよ~?
下りの方が危ないんだって言うから…」
「はいはい、分かってますって!」
「飴、舐めるか?」
「いいよ、さっきのは…」
「あ~、酸っぱかったよな~あれ。
口に入れてから失敗した~、って思ったもん!」
なら勧めんなよ…ったく(-_-;)
途中、やっぱり休憩入れながら少しずつ下りる。
「カモシカ、いないかな~?」
「この辺なの?よく出るのって」
翔ちゃんと潤くんは、カメラにカモシカを撮らせたいらしくキョロキョロしている。
「カモシカって、けっこ大っきいんだよね~」
相葉くんもテンション上がってるみたい。
俺はさっきから、トイレに行きたくなってて。
休憩の時に相葉くんと行っときゃよかったな~と、後悔していた。
仕方ないから、次の休憩まで我慢するか…
ところが。
暫く尾根伝いに歩いていくと、さっきまでの青空が急に見えなくなって、少しガスが出て来た。
山の天気ってやつか?
終日晴れの予報だったのに。
「少し早いですけど、休憩入れますか?」
ガイドの一声で、俺たちはその場で荷物を下ろして休むことにした。
「俺、ちょっとトイレ…」
「大きいい方??」
「違うわ!!」
着いて来てくれるというスタッフに、
「俺が行くよ、俺も丁度したかったから…」
って、大野さんが言った。
「そんなに遠くに行くなよ~」
翔ちゃんに言われて俺たちは列を離れた。
霧が出てきてるから、急いで帰りたいけど、まあ、音が聞こえない方がいいし…
俺たちはちょっ奥に入っていった。