• テキストサイズ

風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜



「さあ、取れ高もバッチリなんで、そろそろ下山しますか?」

スタッフが声を掛けて来た。


あ~…またあの道帰るんだ…

そう思っただけで、テンションが下がる俺に、

「帰り道、別のルート帰る?」
そう提案したのは翔ちゃんだ。

あの人、何日も前から、
『最新山岳ガイド』とか、『失敗のない登山ルート選び』なんて本を買い込んで、楽屋で読んでたっけ。

どうやら、別ルートの方が、
カモシカが頻繁に目撃されているらしい。

ある意味、カモシカ何かどうでもいい俺にとっては有難迷惑な情報なんだけど…

「でも、大丈夫ですか?」
ガイドの言葉に、みんなが一斉に俺を見た。

えっ!?
俺?…俺次第なの??

「どうする?ニノが嫌ならやめるよ」
優しくそう言う翔ちゃん。

……そりゃ、俺的には冒険したくない。
来た道なら、何となく分かるし…でも…

俺だってこの業界で生きてるんだ。
スタッフの気持ちは分かる。

別の景色があった方がいい…

思いがけないものが録れるかもしれないし…

「…俺は…別ルートでいいよ」
「大丈夫~?」
松潤も気にしてくれてる。

「無理すんなよ~」
相葉くんも…

「いけるって!ほら、行こうよ!」

みんなの気遣いが嬉しくて…申し訳なくて…

俺、帰ったらジムでも行って鍛えようかな?
この時はホントに、そう思った。

まあ、こんだけ大勢いるし…
大丈夫だろうな…
帰り道が違うくらい、そんな大したことでもないはず。

そう、高をくくったのがそもそもの間違いだった。


まさか…

あんなことになるなんて///

/ 999ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp