第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜
あ~……
このままここから帰りて~///
急に大雨でも振ってこないかな?
脚挫いちゃう芝居も、ここじゃリアル過ぎて笑えないし。
「ほら、これ舐めてけよ」
大野さんが俺の手に飴を一個乗せてくれた。
「元気出るヤツだってさ!」
「ホントに~?」
「さあ、出発しま~す!」
スタッフの悪魔の号令で、俺は渋々立ち上がった。
また歩き出した俺たち。
大野さんは、いつも通りだけど、
3人が交代で話したりしてくれてるから、
まあ、TV的にはいいかな?
俺もキャラ的に、そんなに張り切ってなくてもいいしね。
呼吸を整えながら、登山道を歩く俺…
ああ、さっきよりもちょっと楽かも。
翔ちゃんのくれたエネルギーチャージのお陰かな?
それとも身体が慣れて来たのか?
だとしたら有り難い…
……にしてもさ。
大野さん、あなたのくれた飴、
口の中の、ありとあらゆるところから唾が出てくるんだけど…
超酸っぱい///
これで、正解なの~??
「あ、これ、すっぺ///」
あなたもじゃん(;一_一)
こうして、俺たち一行は途中休憩を入れながら、先に進み、予定を20分ほど押しただけで、無事に山頂まであと少しというところまでたどり着いた。
「すーげぇー///絶景!!」
「360度パノラマだ~///」
少し先に着いた翔くんと松潤の歓声が聞こえる。
「ほい、ニノあと少しだ…頑張れ!」
自然に差し出された右手を、俺は何の躊躇いもなく握った。
グローブしてるからよく分かんないけど、
大野さんの手は、いつもの何十倍も頼もしくて、大きかった。
いつもは頼りになるなんて、そんなに思わないのにさ。