第36章 『夏だ!山に登ろう!』〜大野×二宮〜
先頭を翔さん、次が潤くん、
大野さんで、俺、相葉くんの順で登り始めた。
勿論カメラを持った番組スタッフやガイドを含め、かなりの大行列になった。
スタートして20分。
一気に汗が吹き出して来る。
ただ坂道を歩いているだけなのに…
コンサートでガシガシ何曲も通して踊った時に近い汗。
でも動悸はその数倍だ。
撮影だから、と始めは言葉が出ていた俺は、
一気に無口になる。
そんな俺に気付いている大野さんは、
何度も振り返っては俺に声を掛ける。
「行ける?大丈夫?」
「うん…ありがと…」
後ろからも、相葉くんが、
「水分取った方がいいよ?」
「うん…そうする…」
「後10分したら一回休憩しま~す」
はあ…やっと休憩か…
山登りって、こんな辛いんだ…
みんなよくやってるよな~(-_-;)
俺、山登りが趣味だっていうやつとは、
友達にはなれないかも…
「ここで休憩で~す!」
スタッフの声に、俺は安堵のため息を吐いた。
用意されて手渡されてた水筒から水分を喉に流し込む。
スポーツ飲料系かな?
生き返るよ~///
「はい、これ飲んで~♪」
着ていた真っ赤なウエアを脱いで半袖になった翔ちゃんが、俺に何かくれた。
「これ飲んで、10秒チャージだ!ニノ」
「お~、サンキュウ~」
これ、翔ちゃんがCMやってるやつだ。
「みんなの分、持ってきたの?」
「そう♪まだあるよ~」
この人……
運動神経はは今一つだけど、体力はあるんだよな~
同じ汗でも、俺とは違って爽やかに見えるぜ…
翔ちゃんは、メンバーだけじゃなく、ガイドさんたちにも配っていた。
あの人、きっとこれでリュック、軽くなったはずだ。