第6章 『甘いのがお好き』~松本×二宮~
≪二宮side≫
俺はもうずっと長いこと、
松潤のことが好きだった。
同じグループのメンバーで、
男同士で、
彼には噂の彼女がいて。
そんで、どこの誰が見ても、
文句の付けようがない『イケメン』で。
当然俺とどうこうなんて、
夢のまた夢だって、諦めていた。
側に居れるだけでいいって...
恋人同士になれなくても、
それでも、側で、同じ夢に向かって、
同じ空気の中で、
一緒に光を浴びていられれば...
それだけでいいって。
もう何年も、本当の想いには、
目を瞑ってきたんだ。
ところが...
人生何が起きるか、分からないって、
このことだね~...
俺はスペシャルドラマで、
噂の松潤の彼女と共演していた。
まあ、そのことについては、
松潤と何か話したわけでもなく...
『松潤の彼女』っていうだけで、
何だか近づけなくて...
その時はそれで終わった。
ところがつい先日、俳優仲間の飲みの席に、
偶然彼女も来ていた。
周りに人が居なくなったので、
俺は思い切って切り出してみた。
「どうよ?うちの松本とは、
上手くいってんの~?」
すると彼女は笑って、
「潤くんが好きなのは、ニノなんだよ~..
どうして気付かないかな?」
「えっ??」
「私といたって、あいつ、
ニノのことしか言わないんだよ~...
失礼な話よね...」
そう笑った。
「..........」
↑口を開けて放心中