第33章 『君が好き scene2』~松本×櫻井~
【 潤side 】
俺が翔くんとのお忍び旅行に用意したのは、
山梨の河口湖にある人気のホテル。
この前翔くんが言ってた、
『手ぶらでキャンプ行きたい。寝っ転がって星空とか観たい』っていうの。
あの夢を叶えてあげたくて。
グランピングって、夏だけだと思ってたら、
野外で使えるカッコいい海外のストーブのお陰で冬でも行けるんだって!!
勿論直ぐに予約して、プライバシーについてもバッチリ確認済み。
他の宿泊客と全く会わないで楽しめるらしい。
部屋にも風呂が付いたタイプを予約した。
俺の運転で河口湖に着いたのは午後3時。
本当は2泊以上滞在して楽しむ方が一般的なのかもしれないけど。
そんなに時間は取れないから...せめて、早めにチェックインした。
キャビンに入り、部屋の中を散策した俺たちは、キャビンのテラスにあるこたつに、先を争うように飛び込んだ。
こんな真冬に...こんなリゾート地で...
そんな常識を覆す野外のこたつ。
それが不思議と温かいんだ。
「潤!!凄いよね?これ...こんなの初めて!!」
ふふふ...翔くん可愛い~♪
来て良かった~(^^;
ふたりで、向かい合って入るこたつ。
他愛もない話をしながら...
眼下に広がる森や湖を観ながら、夕食はジビエ...
鹿肉のしゃぶしゃぶはさっぱりしていて、本当に美味しかった。
赤ワインを堪能して、ほんのり翔くんの頬が染まる。
「潤...ありがと...最高の誕生日になったよ。」
キャンドルの灯りに、翔くんの大きな瞳がキラキラ輝いてる...
ほんとに、何て綺麗なんだろう...
非日常的な空間に愛しい人の笑顔...
美味しい料理を食べて、満たされてしまえば、後は...
「潤。星、たくさん観えるかな~」
あ、そうだった。
本日のメインイベントがあったんだ!