第33章 『君が好き scene2』~松本×櫻井~
【 潤side 】
相葉くんと大野さんのドタキャンに、
翔くんは小さな溜息を吐いたけど、頼みの綱のはずのニノに、帰っていいって...
「え?いや...でも..」
ニノがチラッと俺を見た。
俺はどうしていいか分かんなくって、翔くんの顔を見つめた。
「なんかさ、悪かったな...元々俺達だけで来るはずだったのに。くだらないことに巻き込んで...」
「いや..そんなことは...」
「3人で食べてもいいんなら、勿論いいよ。お詫びに驕るし...でも、帰りたいなら遠慮しなくていいよ...
もう大丈夫だから...」
...翔くん...大丈夫って...
ニノは上目遣いで俺と翔くんを交互に見ていたけど、
「じゃあ、お邪魔虫は退散しますよ🎵」
とウインクした。
そして、立ち上がってから思い出したように、
「喧嘩の原因は聞かないけど、好きだから喧嘩にもなるんでしょ~?俺からしたら、羨ましいよ~」
ニノは、俺の肩をポンポンと二回叩いて行ってしまった。
......好きだから...
当たり前じゃん!!俺は翔くんが好きで...
大好きで堪らない...
「翔くん...」
「潤...飯、食おっか🎵」
ニッコリ笑ってくれた翔ちゃんに、俺はちょっと泣きそうになる。
「うん!もう、メニュー全部頼んじゃおっかな~」
「はははっ、太るぜ~...」
翔くんが...
翔くんが笑ってくれてる!!
俺のこと...
いつもの屈託のない笑顔で...
...ヤバい///マジで、泣きそ...
泣く...
「潤...何泣いてんだよ~...バ~カ」
今までの不安とか、緊張とか、
絶望とか...
そんな心の闇に、
一気に春の明るい日差しが差し込んだような...
↑大袈裟だな、全く...
そのくらい、翔くんの笑顔が、俺には嬉しかった。
...嬉しかったんだよ――――!!!