第33章 『君が好き scene2』~松本×櫻井~
【 雅紀side 】
「翔くん、夕べはごめん...」
松潤が、上目遣いで翔ちゃんに謝った。
なんだ、素直で可愛いじゃん♪
それなのに、
「ごめんって...謝る必要、なくね~?
俺はもともと怒ってないし...」
...翔ちゃんは頑なだ。
「怒ってるじゃん!その言い方がもう、怒ってるし」
急に始まった言い合いに、俺は二歩後ずさった。
「怒ってね~って、言ってるだろ?」
「怒ってるよ!だって今日は、全然俺のこと見ないじゃないか!」
ニノと大野さんが、こそこそとその場から退散する。
いきなり来た、超大型の台風みたいに。
睨み合いの冷戦から、急にミサイルの打ち合いになったみたいに。
ふたりの言い合いに、周りは凍り付いた。
「まあまあ、この後本番ですし...」
マネージャーが止めに入って、二人は渋々口を噤む。
そして目を反らせたまま、離れた椅子に座った。
......最悪だ///
いったい何があったんだよ?
聞いてないから分からないけど...
分からないけどさ。
多分...多分ね、大したことじゃない。
まあね、二人にとっては重大な事なのかもしれないよ?だけどさ。
こういう場合、今まで99%...
いや、99.9%、切欠はくだらないんだ。
本人たちには...正確には松潤には言えないけどね。
ああ見えて、松潤は凄いやきもち妬きだ。
喧嘩の原因は大抵松潤のやきもちだ。
俺に言わせりゃ、翔ちゃんはこんなに真っ直ぐに松潤のことを大切にしてるのに。
それでも、ちょっとしたことに嫉妬する松潤。
面倒くさいな~...
って俺なら思うけど、翔ちゃんは実はそうでもない。
あれは絶対に満更でもない顔だ。
あ!!
もしかして、妬かせるために、わざとやってんのか~??
だとしたら松潤、勝ち目はないよ(^^;