第31章 『そうだ!銭湯へ行こう!』~松本×二宮~
スマホを握りしめたまま、寝てしまった俺は、
LINEのメッセを告げる音で目が覚めた。
時間は深夜2時半過ぎ。
潤くんから、いくつものメッセが入っていた。
『今日は来てくれてありがとう』
『今まで黙っていてごめんね』
『サプライズしたかったのもあるんだけど』
『やっぱり悪趣味だったよね...俺達だけの問題でもないのに...』
『今すぐ、かずに会いたいよ』
『明日の午後、時間取れる?会いたい』
『かず...愛してる』
.........
潤くん...
5分おきに着たそのメッセで、潤くんの思いが、痛いほど伝わって来て...
...俺は声を出して泣いた。
潤くんはいつだって真っ直ぐに俺に気持ちをぶつけてくれてる。
なのに、俺は...
つまらないプライドで意地を張って、ひねくれて。
潤くんの気持ちを見失うところだった。
自分の気持ちに蓋をするところだった。
こんなに、好きなのに...
潤くんのことが...潤くんだけが、
こんなにも大好きなのに...
俺は震える指で、
『俺も会いたいよ』
と返信した。
翌日。
約束の時間に、潤くんが車で迎えに来てくれた。
家の家族に話をして、泣きながらありがとうを繰り返す父ちゃんと抱き合ってから、俺を乗せた潤くんは、高速に乗った。
「かず...たまにはドライブしようよ♪」
「うん...」
ハンドルを握る潤くんの横顔を、じっと見つめた。
すると潤くんは、俺の手をぎゅっと握って、
「あんまり見てると、緊張して運転できないじゃん...」
そう笑った。
本当に、この人、俺の恋人なんだな...
俺は、彼の手を強く握り返した。
車は、海の上の道を滑るように走って行った。